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ある日の会議終了後。仕事仲間から「はい。じゃあ次、どうぞ」とDVDが回ってきた。
職場では自分が見て面白かったものをみんなと分かち合おうと、DVDや本などがよく回覧されている。
今回渡されたのは相米慎二監督、寺田農主演の「ラブホテル」。
次に回さなきゃいけないこともあって、時間のある昼間に観た。にっかつロマンポルノなので隣近所に遠慮して蒸し暑いのに途中から窓を閉めてしまった(笑)。ただし、つきまろの前に観た人は「90分に3回しかエッチシーンがないなんて、ポルノとしては失格」と言っていた。
感想としては・・・どうしてこれが回覧されているのかわからない(泣)。
つきまろは、貧乏臭すぎる映画、哀愁漂いすぎる映画、は嫌い。濡れ場でもじめ〜っとしたものよりもあっけらかんとしたものの方が好み。でもこの映画はつきまろが好きではない要素を全て満たしている感じ。途中から早送りで観てしまった。
ものすご〜い、台詞も、曲(百恵ちゃんやもんたよしのり)も、設定(サラ金に追いつめられた寺田さんが自殺を考え、この世の別れに買春をした)も、エッチも、昭和の哀愁漂いまくりの映画でした。
寺田農さんが運転するタクシーの窓に「初乗り440円」と書いてあったが、そんな時代もあったんだよな、と思ってそれにはちょっと感動した。なので昭和を懐かしむ人にはお勧めかも。
でも、つきまろが「おれの90分を返せ〜!」(厳密に言えば早送りしているので90分かかっていないけど)と思っているのは確か。
どうして先輩はこれを回覧しようと思ったんだろう?昭和が懐かしかったのかな?
ごめんよ、昭和のよさがわからないガキでw



余談なんだけど、amazonってちょっと検索するとそれと似たような作品を「ようこそ」と「マイページ」に勝手にいっぱい薦めてくるじゃないですか。
今回この作品のリンクをここに載せたことによってにっかつ系のものがじゃんじゃんアップされるかと思うとちょっと憂鬱です。
仕事でたくさんの資料を必要とするのでamazonには本当にお世話になっているし助かっているのですが、本当の自分のお好みじゃないものをオススメされるとイライラしてくるときがあるんですよね。いちいち「興味ありません」にチェックを入れるのもかったるいし・・・。大抵は観て見ぬふりをしているけどね。助かっているときもあるから。

華氏911

アメリカ同時多発テロからもうすぐ6年。
そこで、マイケル・ムーア監督の「華氏911」を見た。
シッコでも話題になっているからかGyaoでは今なら無料で見られる。
ただし、Macユーザーのみなさんは観ることができませんよ、私を含めて。

ちょっと前に雪山堂さんのブログ(http://d.hatena.ne.jp/sessendo/)で「9.11事件再調査」の動画を見ていたので、最初の方は「何だ、再調査のVを見る前に観ておけばよかった」と思ったのだが、見ていくうちに9.11はアメリカ政府の陰謀だったという「9.11事件再調査」の内容の裏付けが取れていくような気がして最後まで食い入るように見てしまった。
ワールドトレードセンターに飛行機が突っ込んだとき、フロリダの小学校で授業参観をしていたブッシュがその報告を聞いても何ら行動を起こさずに、子どもたちと一緒に「私のヤギさん」を読んでいたのは、計画通りにことが進んでいるからではないのか?とか、
本当はタリバンだったかアルカイダだったかと戦っていたとされるフセインを攻撃したのは、ブッシュ一族がビンラディン一家と懇意だったからではないか?とか、9月11日から2ヶ月も過ぎてからオサマ・ビンラディンの捜索に乗り出したのは、親しいビンラディン一家の者に逃亡のチャンスを与えたからなのか?とかーー
9.11アメリカ政府陰謀説を知らなければ、ブッシュは間抜けで強欲だなあくらいの感想しか持たなかったと思うのだが、これを知ってしまってからはいろいろ考えてしまうのであった。
これらの全てが本当だとしたら、全てじゃなくても一部でも本当だとしたら、アメリカは「世界の警察」じゃなくて「世界のマフィア」だよ。
また、観ているうちに大変失礼ながらブッシュに対してある疑惑を持ってしまった。それは「この人もしかしてサイコパス?」というもの。
ロバート・ヘアがあげたサイコパスの定義に
饒舌で一見魅力的
過大な自尊心、自己中心的
異常なほど嘘をつく
後悔/罪悪感が全くない
冷淡で共感がない
行動の責任を取れない

という項目があるらしいのだが、自分は心理学に詳しいわけではないけれどこれがブッシュに当てはまるように感じてしまったのだ。
また、アメリカ大統領がクリントンから戦争大好きブッシュに交代し、世界情勢が変わっていく中で母が放った一言が思い出された。「まーず、ブッシュはいけんわ。クリントンはエッチだっただけで他はよかったわ」。そう。クリントンは個人的に特殊な性癖を持っているだけで、罪のない他国の民衆の上に爆弾の雨を降らせることはなかった。

阿修羅のトップページには9.11アメリカ政府陰謀説を立証した「Loose Change」の日本語版がアップされている。こちらもこれからじっくりと見ようと思う。

最後に9.11のテロとそれに続く戦争で犠牲になった全ての人のご冥福を祈ります。



気分が疲れていたので脱力したくなり、観ちゃいました、「えびボクサー」。

イングランド中部でパブを営む中年男ビル。かつては将来を嘱望されたボクサーだったが挫折したらしい。ある日、友人の何でも屋アミッドから「2m10cmの巨大えびを使って人間とボクシングをやらせる興業をしてはどうか?」という商売の話を持ちかけられる。
最初は断ったビルだが、結局えびに夢を託すことに。
パブの客でもあるヘタレボクサー・スティーブとスティーブの彼女でちょっとアブノーマルな趣味を持つシャズを引き連れ、人間対えびの試合を売り込むためロンドンのテレビ局へと向かうビル。テレビ局にはなかなか取り合ってもらえないが、ミスターCと名付けた巨大えびは、餌は小エビ1日18キロ、毎日体に保湿クリームを塗らなければならない、脚(いっぱいあるよね!!)のストレッチも毎日と、なかなか手間のかかるヤツだった。はたして「えびボクサー」は実現なるのかーー。

イギリス映画らしいお下劣さが笑えます。だけどとってもハートウォーミング。
ビルとミスターC、ふたりの間に最初は愛情はなかったのですが、一生懸命世話をしていくうちに愛が芽生えていくんです。
ホテルのベッドに横たわり、テレビを観ながら長いストロー状の口でシュリンプをすする姿はなかなかキュート。あんなえびなら家に一匹いてもいい!?
あの巨大えびはマンティス・シュリンプ(カマキリえび)という本当にいるえびなんですね。もちろんあんなに巨大化するのは本当ではありませんが。
映画の中で巨大化した理由をアミッドが「21世紀だから」と言っていたけど、昔、放射能漏れのせいで3メートルのタンポポができてしまったという話を聞いたのを思い出して、それもなんとなく頷けちゃったりして。
最後にはミスターCもビルもスティーブもみんなそれぞれの道でハッピーになっていくのが、嬉しかったです。やっぱり映画は後味がよくないとね!

パブを経営することは夢じゃなかったというビルは、客がおつまみに手を伸ばす度に「パブのつまみは人の尿にまみれている」と言っていたのですが、これからは飲みに行ってお通しにナッツ類が出てきたら間違いなくビルの言葉を思い出すと思います。

えびボクサーは心をほぐしたいときにオススメの1本です。

父と暮せば

黒木和雄監督といえば宮沢りえちゃんが主演した「父と暮せば」も観ました。(「暮せば」はつきまろの送りがなの間違いじゃないですよ)
井上ひさし氏の戯曲父と暮せば (新潮文庫)の映画化作品で、TOMORROW 明日美しい夏 キリシマに続く戦争三部作の完結編として制作された作品。

原爆投下から3年後のヒロシマ。生き残った娘・美津子は自分が生き残ってしまった後ろめたさから、幸せになってはいけないと自分に言い聞かせて生きていた。美津子は原爆資料を収集する男性、木下と出会い恋心を抱くが、それすらも押さえつけようとしてしまう。
そこへ原爆の犠牲となった父が幽霊になって現れ、なんとか美津子のかたくなな心を開こうと励まし続けるが・・・。

出演は美津子に宮沢りえ、父・竹造に原田芳雄、そして木下役に浅野忠信。映画では木下が登場しますが、井上ひさし氏の戯曲に登場するのは父娘のふたりだけです。
ほほえましい父娘のやりとりのなかから戦争、原爆の悲劇が浮かび上がってきて、そのギャップが余計に切なさを感じさせます。
一発の原爆が美津子の心にいくつも傷をつけています。まずは大の仲良しを失ったこと。美津子は自分よりも優秀だった友だちも原爆で亡くし、数日後にその友人のお母さんと再会するのですが、そこで「うちのこじゃのうて、あんたが生きとるんはなんでですか」と言われてしまう。それってすごくショックですよね。
また、他のクラスメイトたちも、焼けただれて防火用水の中に直立したまま亡くなったり、唇が焼き茄子のように膨らんでただれて亡くなったり、身の回りにいる大勢人たちの悲惨な亡くなり方が頭に焼き付いて離れないのです。
そして、何より美津子を苦しめているのが、「おとったん(おとうさん)」を目の前で亡くしてしまったこと。原爆が落ちて崩壊した家の下敷きになったおとったんを何とか助けようとするのですが、顔にひどいやけどを負ったおとったんの体は梁の下になっていて美津子には助けられない。家とともにおとったんの体はどんどん焼けていく。おとったんは自分にはかまわず「早よ逃げー!」というが、美津子はその場を動かない。そこで、おとったんは「ちゃんぽんげ(じゃんけん)」で決めようと提案。このちゃんぽんげのシーンが本当に泣けるんです。恥ずかしいくらい涙が出ます。何とか娘だけには生きてほしいと願う父と、父を見捨てるわけにはいかない娘、ふたりの心情に胸が張り裂けそうです。
結果、美津子は逃げたのですが、自分は父を見捨ててしまったと苦しみながら生きることになったのです。そんな娘の状態を「うしろめとうて(後ろめたくて)申し訳なー病」と名付けて、なんとか立ち直らせようとするおとったん幽霊の愛情はほのぼのとしているけれども大変力強いです。美津子が生き残ったのは、こんなむごい別れ方をした人たちが何万もいたということをみんなに覚えてもらうために生かされているんだよ、と。
美術監督は木村威夫さんですが、セットも素晴らしかったです。お父さんが幽霊になって娘を励まし続けるというファンタジックな部分と絶妙にマッチしていました。
りえちゃんのぎこちない広島弁がちょっとだけ気になりますが、透明感は抜群です。宮沢りえちゃんといい原田知世ちゃんといい、黒木監督は透明感のある女優さんが好きなのかな。
家族で観てもカップルで観てもいい作品だと思います。


紙屋悦子の青春

8月です!
この月になると戦争をテーマにした映画やドラマが多くなりますが、今回は私のお薦めをご紹介します。
それが黒木和男監督の紙屋悦子の青春です。
物語は病院の屋上の老夫婦の回想から始まります。
回想の舞台は終戦間近な鹿児島の田舎町。優しい兄(小林薫)と親友でもある兄嫁(本上まなみ)と3人で慎ましく仲良く暮らしていた悦子(原田知世)。悦子は兄の後輩・明石少尉に密かな思いを寄せていたが、ある日、兄は別の男性との見合いを悦子に勧めてきた。相手は明石の親友・長与少尉。明石自身も悦子と長与の見合い成立を望んでいるらしい。傷心を隠して見合いに望む悦子。長与は悦子に一目惚れをし、緊張のあまりトンチンカンな行動を繰り返してしまうが、そんな長与に悦子もいつしか心を開く。
しかし、悦子は彼女の見合いを望んだ明石が海軍特攻隊に志願したことを知ってしまう。死を目前にした明石は信頼する友・長与に最愛の人の今後を託したのだ。明石の思いを胸に悦子と長与が踏み出す新たな人生の一歩とはーー。

紙屋悦子の青春は松田正隆の戯曲の完全映画化。1962年生まれの松田氏はお母様の体験を元にこの作品を92年に発表したそうです。
出演は原田知世、永瀬正敏、松岡俊介、本上まなみ、小林薫の4人だけ。
戦闘シーンが出てくるわけでも、空襲シーンが出てくるわけでもありませんが、戦時下の庶民の暮らしや気持ちを丁寧に描いています。
当時まだ日本人が持っていた奥ゆかしさや慎ましさ、人間としての清潔さ、潔さが登場人物の一人一人から感じられます。であるにもかかわらず説教臭さは微塵もありません。
原田知世ちゃんの可憐さも素晴らしいのですが、永瀬正敏、松岡俊介の眼の演技が見物です。ドキドキしました。イマドキは映画でもテレビでも何でも台詞で心情を表しがちですが、この映画を観たときには「行間」から心情を察することのできる、俳優の演技から心情をくみ取ることのできる映画に久々に出会ったと嬉しくなりました。
紙屋悦子の青春を観てから数日間はこの映画のことを思い浮かべるだけで胸がキュンとなりました。派手さはありませんが傑作だと思います。

この映画を撮られた黒木和男監督は昨年の4月に亡くなられています。戦争の残酷さを知り、平和を望む作品を多く世に送り出した黒木監督。いま一部でわき起こっている憲法改正論を監督はどう考えていたのかな?・・・そんなこともふと考えてしまいました。

しかし、化け物のように年をとらない原田知世さん。どうしたらいつまでもあんなに可憐で透明感を持って生きられるのでしょうか。
特殊メイクでおばあさんを演じていましたが、それでも口元が若々しすぎて、特殊メイクですら知世ちゃんの若さに太刀打ちできないのかあ!?と変なところにも感動。いつまでも年をとらない原田知世ちゃんにも注目!


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